Q.ボディに洗車傷があるのですが、先にコンパウンドなどを施工して傷をとってからスタートキットを施工したほうが良いでしょうか?

スカイライン 370GT プロ施工による磨き。

▲洗車傷などをプロ施工により磨いたスカイライン 370GT これと同じようなことをしようと思うなら・・違うアプローチが必要になります。

A:まず、一般的な洗車の中で洗車傷を「はじめに」綺麗にするということは磨きの技術がある方か、もしくは業者にでも磨きに出さないことには不可能かと思います。ですので、プロ施工とは少し違うアプローチで解決してゆく必要があります。

そこで、まずスタートキットを施工してから、いつもの洗車の中で洗車傷の軽減に取り組んでゆく・・・という長期的なスタンスが成功への近道でセンタツでも多くの方がこの方法で洗車傷の問題を解決しています。

●洗車傷を消す前に「洗車傷をつけない洗車を身につける」

基本の洗車方法が誤っていれば、たとえ洗車傷を消すことができたとしても。また、プロに磨きに出したとしても結局は洗車のたびに洗車傷が増えてゆく繰り返しになってしまうことになります。それを防ぐためにも「洗車傷をつけにくい洗車」を実践することが先決です。ケミカル施工の正しい位置づけや正しい施工方法を獲得してから洗車傷を扱っても全く遅くはありません。まずはスタートキットによる汚れ落とし、そして「輝きは洗車すれば取り戻せる」という実感を得て。その後、お車もずいぶん綺麗になってきてから、いよいよ「大鬼の洗車傷を退治してゆこう」という順番が良いと思います。

なぜなら、磨きができる前提には基本の洗車ができ、洗車傷を増やさずに洗車もできる。輝きも高められるスキルがあるという前提が必要だからです。そうでなければ、まず間違いなく綺麗になった後も洗車傷がまたできますし、コンパウンド施工してもオーロラが出てパニックになったり、あるいはそれを消す方法がわかりません。より細かい目のコンパウンドを探し回ったりする羽目になります。そんな必要はないのです。

要は「輝きはどうにでもなる」「これぐらいのダメージならコートクリーナー→コートで直せる」という実体験ができた上で「大鬼」の洗車傷に取り組むとよいです。基本の洗車でしてはいけないことを知らなければコンパウンド施工も正しくできません。力を入れすぎてみたり、洗車傷を消したいばかりに無理な施工をしたり、あるいは施工方法自体を誤って洗車傷どころか磨き傷まで増えてしまうかもしれません。現にコンパウンド施工が怖がられ「やすりで研いでいるようなもの」などと誤った認識を多くもたれているのは「施工方法の誤り」に原因があると思います。プロは基本的にコンパウンドは一種類か二種類で鏡面に仕上げることすらできます。特に細かい目のコンパウンドが必要というわけでもありません。要は「施工方法」なのです。洗車というのはやはり基本が大事です。

●プロのポリッシング

写真トップのスカイラインGT370はプロ施工による磨きを入れた車です。お車は納車から2年ほど経ち、洗車傷などが増えてきたので一度磨きに出したいということで、私の友人の中武氏のところに入庫していた時の写真を拝借しました。(※中武君は大阪モーターショーなどの出展車を磨いたり。プロに施工を教えるレベルのプロ技術者です。)

この施工はプロ施工としては簡易的な施工になります。本来、本格的に磨きを行うなら預かりで最低1週間ほどは余裕でいただかないと完璧な磨きはできないですし費用もかなり高額になります。ちなみにコーティングも何も塗ってない状態です。ピカピカですよね。(プロ視点ではまだまだもっといけるという感じなんですけどね。)

しかし、この簡易的な施工でもボンネット一枚を写真のような姿勢で4時間以上、バフを換えながら磨きをいれています。腰が痛くなります。

これを手作業で洗車という短い時間で車全体の洗車傷を取ろう・・・これは物理的に無理だという一つの理由です。

また、コンパウンド施工の最低限の技術や知識も必要になります。スポンジでコンパウンドをゴシゴシワックスのように施工する・・なんて方法で1時間か2時間の洗車時間の間に・・まず100%磨き傷になります。(なぜ多くのコンパウンド施工にスポンジが推奨されてるのか謎ですが・・洗車の七不思議の一つです。)

しかも、車全体に・・・短時間で・・・

「じゃあポリッシャーを買えば・・・」 それもチャレンジですがポリッシャーも難しい技術です。非常に高い技術が必要になりますし本来、ユーザー洗車に必要な道具ではありません。普通はまぁ・・いらないですよ。手作業でも綺麗にできる方法があります。

まぁ・・できるんです。ユーザー洗車の中でも、しかも手磨きで。

●ユーザー洗車の中でも鏡面にすることが可能な方法。まだ太陽光が乱反射して帯を引いていますが、これは簡単に消せます。より細かいコンパウンドは必要ありません。この太陽が「点」に映るようになる日がくる・・それも楽しみの一つですね。注:太陽光は直接目でみないようにしましょう。

この写真は市販コンパウンド398円とコートクリーナーを使って、センタツ松尾が手磨きで洗車機のブラシダメージ傷「がっつり」のボディを磨いてみせる・・という企画の一部画像です。市販コンパウンドも要は使い方でこういう風にすることが可能だということをお伝えしたかったのですが、流石にダメージ深いこの車のボディは一発で鏡面というわけにはいきません。施工後の写真でも細かい傷は残っているのが解るかと思います。それでもここまで「できる」という事が大事なポイントなのです。施工前の写真のような状態を20cm四方ぐらいの面積を10分程度でこれぐらいのレベルにしています。特に難しいことは何もしていないのですが。これなら、普段の洗車で少しずつ行ってゆくことが可能です。達人キットで輝き自体はどうにでもなる。という状態になれば、あとはこの洗車傷だけですから少しずつ手を入れてゆけば良いです。

これぐらいできれば洗車傷には勝ったも同然なのです。

こんなことができるのは「洗車の基本」ができているからなんです。施工面や使う道具を誤ればこうはなりません。市販コンパウンド一本で広告通りに「鏡面」にすることができるのですが(この市販のコンパウンドにも超鏡面と書かれてます)。おそらく多くの方は額面どおりにできないと思います。また、あたかもコンパウンドが細かいものや色ごとに必要なように言われているので、「市販コンパウンドでこうしたらできますよ」という方法と練習方法を松尾が解説しています。ビデオを観ればわかりますが女性でもできる方法です。(現に女性オーナーができています)

この方法を応用すればいろんなことができるようになります。洗車傷が最初にあったおかげで、最終的には「洗車傷は全く怖くなくなった」という方が沢山いるのですから、ステップバイステップで取り組んでゆきましょう。

まず大事なのは「いきなりコンパウンド施工しない」ということ。まずは初回施工からはじめ、基本の洗車の実践からはじめてください。軽い洗車傷なら次第に目立たなくなってゆきます。そしてベーシックケアやスペシャルケアで輝きを高めたり、あるいは細かい汚れを落とすコツが解ってきたら、いよいよ「大鬼の洗車傷」に取り組んでみれば良いことです。ボディはすでにピカピカ、洗車自体は上手になってきた。輝きも高められると実感している。だが・・この最後の大鬼の洗車傷をどうにかしたい。それぐらいの段階でやると良いです。また、業者に任せずに自分でやってみると、実は発見もあります。

どのようのな発見かというと「車の輝きはもう自分の手でどうにでもなる」「洗車なんて怖くもなんともない」「白でも黒でもなんでもこい」というようなレベルです。(実践大賞の会員さんが同じことを言ってましたね) 中古車の洗車傷だらけのソリッド黒なんかが手に入るとワクワクするような人になってしまいます。

なら、洗車傷という大鬼は実は洗車を上手にさせてくれる、女神かもしれませんね。

とりあえず大鬼はあとから退治することにして。洗車傷はまず気にせずに、ベーシックケアやスペシャルケアを実践してください。軽い線傷ぐらいなら目立たなくなってゆきます。楽しみは後からとっておくと良いです。まずは基本の実践をしてみてください。

うまくいけば数ヶ月後には言ったことが実際に体験できることになると思います。そして、洗車の女神が微笑んで次のステージに連れていってくれるでしょう。まずは楽しく洗車してください。

この AUDI も同じようなアプローチで改善していった事例です。

>> 事例